2009年4月6日月曜日

Rouze up O Young Men of the New Age!



























覚醒せよ
新時代の若者たちよ
無知なる金の亡者たちに
真っ向から立ち向うのだ
 なぜならやつらは
軍隊、法廷、大学に潜り込み
精神的闘争を挫折させ
できることなら永久に
肉の戦いを長引かせようとするだろうから
絵を描くひとよ!
彫刻を彫るひとよ!
建物を建てるひとよ!
あなたがたにわたしは呼びかける
当世風気取りの阿呆どもに
あなたがたの力を挫かせてはならぬ

Preface to Milton: a Poem in 2 Books (E95)
translated by KEIKO for MY COMPANY

「生まれたての歓び (Infant Joy)」



































ぼくにはまだ名前がないよ
生まれてからたった二日
じゃあきみのこと なんて呼んだらいい?

ぼくは しあわせ
よろこび が ぼくのなまえ

あまいよろこびが きみに訪れますように

かわいい よろこび
いとしいよろこび 二日前に生まれたばかりの
いとしいよろこび ぼくはきみををそう呼ぶことにするね

ぼくが歌うと
きみはにっこり微笑んでくれるから

とろけるようなよろこびが きみに降り注ぎますように

「生まれたての歓び (Infant Joy)」(『無垢のうた』より )
translated by KEIKO

神を敬うということは

神を敬うということは、各自の才能に応じて、他の人のなかにある神からの贈り物に敬意を払うとことであり、また、最も偉大な人間たちを最大限に愛することだ。偉大な人間たちを嫉み中傷する者たちは、神を憎むことになる。他に神はいないからだ。
『天国と地獄の結婚』(The Marriage of Heaven and Hell)(23; E43)

「ロンドン (London)」














わたしは彷徨い歩く 鑑札付きの街路から街路
特権でがんじがらめのテムズ川のほとり
わたしが出会う すべての人達の顔には 印(しるし)
弱さの印や 嘆きの印

どのひとの どの叫び声のなかにも
子供たちの 恐怖の泣き声のなかにも
ありとあらゆる声に してはならぬと禁ずる声にも
わたしには聞こえてくる 心が勝手に造り出した足かせの音が 

煙突掃除の子供たちが きれいにするよ きれいになるよ と叫ぶたびに
煤で真っ黒に汚れきった教会は 顔面蒼白
不幸な兵士達が ため息をつくと
血となり 宮殿の壁を伝ってどろりと流れ落ちる

けれども 真夜中の街路で 一番よく耳にするのは
若い売春婦たちの呪いの言葉
大声で泣き続ける生まれたばかりの赤子を黙らせ
婚礼の霊柩車を 疫病で台無しにしている

「ロンドン (London)」(『経験のうた (Songs of Experience)』より)
試薬品 translated by KEIKO 

「虎 (The Tyger)」














虎よ 虎 あかあかと燃える
夜の森のなか
どんな不滅の手や眼が
おまえの恐るべき均衡を作った

どんな遠くの海や空に
おまえの両眼の炎が燃えていた
どんな翼にのって 天翔り
どんな手が あえてその炎をつかんだ

どんな肩が どんな技が
おまえの心筋をねじ曲げ
おまえの心臓が鼓動し始めたとき
どんな恐ろしい手が どんな恐ろしい足が

どんなハンマーが どんな鎖が
どんな溶鉱炉に おまえの脳が
どんな鉄床が どんな恐ろしい把握力が
死に至るほどの恐怖をあえてつかんだ

星たちが矢を放ち
涙で天に雨を降らせたとき
自らの作品を見て 彼は微笑んだのか
あの子羊を作った者が おまえを作ったのか

虎よ 虎 あかあかと燃える
夜の森のなか
どんな不滅の手や眼が
おまえの恐るべき均衡を
あえて作り出した

「虎 (The Tyger)」試薬品 translated by KEIKO(『経験のうた』より)

「蠅 (The Fly)」















ちいさな蠅よ
おまえの夏の遊びを
わたしはなにも考えず
この手でうっかり払いのけて 台無しにしてしまった

考えてみれば わたしも
おまえのような 蠅なのではないか? 
あるいは おまえが
わたしのような 人間ではないのか?

なんとなれば わたしは 踊り
酒を飲み 歌う
だがそれだって なにか盲目の手が
わたしの翼を払いのけたら それでおしまいなのだから

 なにかを考えていることが 
生と力と呼吸のことで
なにも考えないことが
死なら

それなら わたしは 
一匹のしあわせな蠅だ
生きていようが
死んでいようが 
「蠅 (The Fly)」(『経験のうた』より)translated by KEIKO

Little Fly 
Thy summers play, 
My thoughtless hand 
Has brush'd away.

Am not I 
A fly like thee? 
Or art not thou 
A man like me?

For I dance 
And drink & sing: 
Till some blind hand 
Shall brush my wing.

If thought is life 
And strength & breath: 
And the want 
Of thought is death;

Then am I 
A happy fly, 
If I live, 
Or if I die.

「百合の花 (The Lilly)」


お上品な薔薇には 棘がある
へりくだった羊には 脅しの角が
だが 白百合は 愛のなかで歓喜にむせ
棘や脅しも その輝く美を 穢すことなど到底できない

百合の花 (The Lilly)」(『無垢と経験のうた』より)試薬品 translated by KEIKO


「 愛の園 (The Garden of Love)」












わたしは 愛の園に出かけた
そして それまで見たことのないものを 目にした
礼拝堂が 建っていた 真ん中に
わたしがかつて芝生で遊んでいた場所
礼拝堂の門は 閉まっていた
汝入るべからず そう扉に書いてあった
だから わたしは 愛の園に向かった
たくさんのかぐわしい花を 咲かせた場所
そして わたしは 見た そこが墓だらけなのを
そこかしこに墓石が 花が咲き乱れているはずの場所
黒衣の僧侶たちが 見回り歩き続けていた
わたしの歓喜と欲望を イバラで縛り付けながら

「 愛の園 (The Garden of Love)」(『無垢と経験のうた』より)
試薬品 translated by KEIKO

「地獄の格言」Proverbs of Hell


What is now proved was once, only imagin’d
現在 真実とされているものも かつては想像されたものでしかなかった
The tygers of wrath are wiser than the horses of instruction
怒りの虎は 調教された馬より 賢い
Expect poison from the standing water
水は 流れなければ 毒になる
When thou seest an Eagle, thou seest a portion of Genius. lift up thy head!
鷲を見るとき 君は 天才の一部を目撃している 高い空を見上げよ

「忘れがたき幻想」A Memorable Fancy

天使たちの目には 苦しみと狂気に写る 地獄の業火のなかを歩きながら ぼくは  天才の楽しさに 歓喜していた
ある国で使われていることわざが その国の性格を表すように
建物や衣服の描写よりも 地獄の格言の方が 
地獄の叡智の本質を 実によく示すものだなどと考えながら
格言をいくつか集めた
帰宅すると
両端が平らな断崖が 
不機嫌な顔で 現世に覆いかぶさっている五感の割れ目のうえに
黒雲に包まれた巨大な悪魔が ふわりと浮いているのを目にした
その悪魔は 金属を腐食させる炎で
岩の両側に 
地上の人間たちの心が とらえ 読めるような
次のような文を書いた
空を切り飛び回るすべての鳥たちが 
無限の歓びの世界ということを
五感に閉じ込められたあんたらに
知る術などあるものか 

『天国と地獄の結婚』「悪魔の言葉」

全ての聖書および聖典は次のような誤りの原因となっている
1.人間は現実に存在するふたつの原則を持つ すなわち 肉体と魂だ
2. エネルギーは悪と呼ばれ 肉体に由来し 理性は善と呼ばれ 魂にのみ由来する
3. 人間が自らのエネルギーに従うと 神は永遠人間を苦しめるだろう
だが これとは対立する次の見解が真実
1.人間は魂から分離した肉体を持たない なぜなら肉体と呼ばれているものは 五官がとらえることができた魂の一部で 今の時代においては魂の主な入口だからだ
2. エネルギーだけが唯一の生命で それは肉体から生じる 理性はエネルギーの限界 あるいは外部の境界線だ
3. エネルギーは永遠の歓喜なのだ
(『天国と地獄の結婚』プレート4「悪魔の言葉」translated by KEIKO )
Marriage of Heaven and Hell PLATE 4
The voice of the Devil
All Bibles or sacred codes. have been the causes of the
following Errors.
1. That Man has two real existing principles Viz: a Body & a
Soul.
2 That Energy. calld Evil. is alone from the Body. & that
Reason. calld Good. is alone from the Soul.
3. That God will torment Man in Eternity for following his
Energies.
But the following Contraries to these are True
1 Man has no Body distinct from his Soul for that calld Body is
a portion of Soul discernd by the five Senses. the chief inlets
of Soul in this age
2. Energy is the only life and is from the Body and Reason is
the bound or outward circumference of Energy.
3 Energy is Eternal Delight
 (E34)

対立は否定ではないのだよ



対立物がなければ進歩はない

引き寄せられること 反発すること

理性 エネルギー

愛 憎しみ
これらは互いに 人間の存在には必要なものだ
宗教に関わる人たちにとってのいわゆる善悪は これらの対立物をふたつに分類しているに過ぎない
理性に従う消極的なものを善
エネルギーに由来する活動的なものを悪
天国を善
地獄を悪と
(『天国と地獄の結婚』Marriage of Heaven and Hell PLATE 3, translated by ME)
Without Contraries is no progression. Attraction and
Repulsion, Reason and Energy, Love and Hate, are necessary to
Human existence.
From these contraries spring what the religious call Good &
Evil. Good is the passive that obeys Reason[.] Evil is the active
springing from Energy.
Good is Heaven. Evil is Hell.
*    +     *      +
否定は対立ではない 対立は互いが存在するが
否定は 互いの存在を打ち消す
互いに 排除しあい 反対し 信じなければ 無になる 
永遠に組織化されることはない
もしあなたがわたしから離れたら あなたは 否定になってしまう
わたしから導きだされたただの推論 わたしからの逸脱 不服を唱える 残酷な 恨みと悪意と妬みになってしまう
わたしのエマネーションよ 

わたしの対立物であるおまえが
否定になってしまう 

なんたることだ
(『エルサレム』Jerusalem, translated by ME)
J17.29; E162| They know not why they love nor wherefore they sicken & die
J17.30; E162| Calling that Holy Love: which is Envy Revenge & Cruelty
J17.31; E162| Which separated the stars from the mountains: the mountains from Man
J17.32; E162| And left Man, a little grovelling Root, outside of Himself.
J17.33; E162| Negations are not Contraries: Contraries mutually Exist:
J17.34; E162| But Negations Exist Not: Exceptions & Objections & Unbeliefs
J17.35; E162| Exist not: nor shall they ever be Organized for ever & ever:
J17.36; E162| If thou separate from me, thou art a Negation: a meer
J17.37; E162| Reasoning & Derogation from Me, an Objecting & cruel Spite
J17.38; E162| And Malice & Envy: but my Emanation, Alas! will become
J17.39; E162| My Contrary: O thou Negation, I will continually compell
J17.40; E162| Thee to be invisible to any but whom I please, & when
J17.41; E162| And where & how I please, and never! never! shalt thou be Organized
J17.42; E162| But as a distorted & reversed Reflexion in the Darkness
J17.43; E162| And in the Non Entity: nor shall that which is above
J17.44; E162| Ever descend into thee: but thou shalt be a Non Entity for ever
J17.45; E162| And if any enter into thee, thou shalt be an Unquenchable Fire
J17.46; E162| And he shall be a never dying Worm, mutually tormented by
J17.47; E162| Those that thou tormentest, a Hell & Despair for ever & ever

William Blake, MILTON


William Blakeの預言詩『ミルトン』は
時空を超越した愛と友情の物語である