わたしは彷徨い歩く 鑑札付きの街路から街路
特権でがんじがらめのテムズ川のほとり
わたしが出会う すべての人達の顔には 印(しるし)
弱さの印や 嘆きの印
どのひとの どの叫び声のなかにも
子供たちの 恐怖の泣き声のなかにも
ありとあらゆる声に してはならぬと禁ずる声にも
わたしには聞こえてくる 心が勝手に造り出した足かせの音が
煙突掃除の子供たちが きれいにするよ きれいになるよ と叫ぶたびに
煤で真っ黒に汚れきった教会は 顔面蒼白
不幸な兵士達が ため息をつくと
血となり 宮殿の壁を伝ってどろりと流れ落ちる
けれども 真夜中の街路で 一番よく耳にするのは
若い売春婦たちの呪いの言葉
大声で泣き続ける生まれたばかりの赤子を黙らせ
婚礼の霊柩車を 疫病で台無しにしている
「ロンドン (London)」(『経験のうた (Songs of Experience)』より)
試薬品 translated by KEIKO
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